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夏をモヘアで楽しむ。
~南ア産モヘア100%ブラウンスーツ~
モヘアという素材をご存知でしょうか。
アンゴラ山羊から採取される毛で艶や光沢感が強く、フォーマルな場面で着用される服地として用いられることが多いです。
また、サラッとした肌触りや通気性の良さから夏場の着用に適しています。
季節感のある洋服を着こなすことはHand some Styleとしても非常に大切なことと考えており、ビジネスやフォーマルなシーンでもオシャレ上級者としての「こなれ感」を演出してくれます。
今回は、「違いが分かる男」にオススメしたいモヘアを使った拘りのビスポークオプションスーツのご紹介です。
南ア産モヘア100%のビスポーク仕様ブラウンスーツ
ウールとの混紡が多くある中、今回はDRAPERS(ドラッパーズ)から最高級とされる南アフリカ産モヘアを100%で仕上げられた生地を使い仕立てしました。
特徴としては光沢感や艶をより感じることができ、モヘア特有のシャリ感により涼しさを体感することができます。
モヘアのシャリ感は肌に刺激的な場合もありますが、今回の南ア産の最高品質のもは全くそのようなことはなく、華やかな場面やビジネスのシーンでも気楽にご着用いただけます。
また仕立て上がりが良く、立体的な風合いもお楽しみいただけます。
トレンドカラーであるブラウンも、また一つ他とは違った特別感を演出してくれます。
そちらをビスポークオプションと共に仕立てた一着をご紹介致します。
【ジャケット】
まずベースとして、イタリア・"フィレンツェ"のスタイルを採用しました。
広くスーツといっても、国や、その中の都市によって文化やそれにおける作りこみが違います。
フィレンツェのスタイルには、人間の動きの中に生まれる曲線や丸みに美しさを求めた、中性的、且、中庸的な精巧美が感じられるものと思います。
モヘア特有の艶が、曲線や丸みの美しさをより際立たせてくれます。
フロントダーツを廃した2面体構成
背面に生まれる自然な丸み
別コラムでご紹介する"ナポリ"のスタイルとは対照的に、フロントダーツを廃しており、脇ダーツ1本で形成されているため、バストからヒップにかけてのシルエットが控えめな曲線美と自然な丸みで表現されております。
美しく落ちるショルダーライン
若干広めにとった肩幅から、少し弧を描きながら落ちるショルダーラインは、凛として優雅な印象を与えます。
ラペルロールから裾にかけての連続性
ラペルから自然に繋がるフロントカットも連続性のある曲線美を演出します。
モヘア100%で仕立てることにより、ラペルロールからの立体感がより美しく見受けられます。
曲線を描いたゴージライン
ゴージラインは高めの位置から一気に下ってきます。
カーブを描いたラインは梯子まつりによって縫われるため、この表情はハンドメイドにしか出せません。
「神は細部に宿る」と言いますが、世界のウェルドレッサーの中には「ジャケットの良さはゴージラインで決まる」という人もいるほど、ディティールの中で重要な部分になります。
ミラネーゼボタンホール
特殊な芯糸を用い、手間を加えたかがり方によって装飾性を持たせたボタンホール。
通称"ミラネーゼボタンホール"と呼ばれますが、これはイタリア、ミラノで生まれたものではなく、現地で使われる芯糸の名前から由来しています。
【パンツ】
ベレッタ型脇尾錠
パンチェリーナ
脇まで伸ばした腰帯に1本ループ
パンツは大人なクラシック仕上げ。
ディティールは勿論のこと、サイズ感にもゆとりを持たせ、直線部分は重力に伴って真っ直ぐ落ち、曲線部分は体に沿って美しさを演出します。
これは着用しないと分かりづらいので、別コラムにて実際に着用したものをご覧ください。
カーブベルト
腰帯部分もカーブを描いた設計に。
人間のウエスト部分は平ではなく、骨盤や筋肉によって丸みを帯びています。
このようにハンドメイドによりカーブをさせることでウエスト部分に吸い付くようになり、美しいシルエットや抜群の履き心地が生まれます。
他にも、細かな補正を取り入れつつ、アイロンワークによるイセ込みを行い、生地の特性を活かし、見栄え、着心地、共に最高級の一着が仕上がりました。
このようなビスポーク仕様を必ずしも推奨している訳ではありませんが、お客様の用途や環境によって、または生地の特性との掛け合わせによって、Hand someの最高峰の縫製技術を存分に楽しんでいただけるフルオーダーの技術を取り入れた一着を是非お試しいただければと思います。
ビジネス・プライベートファッションなど、お洋服全般におけるご相談を承っております。ご興味、お悩み事ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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